JR四国は13日、来年3月15日実施のダイヤ改定を発表した。牟岐線の特急「むろと」を廃止するなど、利用の少ない特急・普通列車23本を削減する。一方、決まった間隔で発車し、発車時刻を覚えやすくなる「パターンダイヤ」が大幅に拡大される。
特急列車の削減は11本。牟岐線徳島―牟岐間を上下2本走っていた「むろと」は全廃となり、同線は普通列車のみの運行になる。「むろと」は1962年に準急として生まれた列車名で、急行を経て一時は他の列車名に統合されていたが、99年から特急となり、最盛期は上下10本運行された。
高徳線の「うずしお」(高松―徳島)のうち徳島を午後10時に出発する最終上りの1本、徳島線の「剣山」(徳島―阿波池田)、土讃線の「しまんと」(高松―高知)の各上下4本も運転を取りやめる。「うずしお」の上下4本で実施していた高松―岡山間の直通運転もやめる。
しまんと、岡山発着のうずしおについては他の列車で代替でき、むろと、剣山については長距離の利用が特に少なかったことを理由としている。
普通列車は予讃線多度津―観音寺間の1本、土讃線4本、予土線4本、高徳線5本の14本を削減。一方、予讃線の松山―伊予市間は2本増便となる。
さらに、特急「宇和海」の八幡浜―宇和島間で、同社の特急としては初めてワンマン運転を開始する。徳島線の穴吹駅は無人駅になる。
パターンダイヤは、新たに予讃線松山―宇和島間(内子経由)と伊予西条―松山間、土讃線の特急「南風」と多度津―琴平間などで導入し、初めて同社の全路線で実施される。予讃、土讃、高徳・鳴門、牟岐の各線でも時間帯を広げ、徳島駅で乗り換えのしやすい「タクトダイヤ」も拡充する。
JR四国の竹原健一運輸部長は「利用客の減少と、深刻な人手不足によって、一部列車の運転を取りやめる。お客さまにはご不便をおかけするが、ご理解をいただきたい」と話した。